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移住コーディネーター

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東京から地縁のない岩手県北へIターン就職
仕事も岩手暮らしも前向きに楽しむ

久慈市へ
Iターン

株式会社十文字チキンカンパニー久慈工場

石井愛菜さん

(東京都出身/2021年移住)

東京都出身。動物が好きで東京農業大学畜産学科に進学。岩手へのIターン就職活動を経て、二戸市に本社がある株式会社十文字チキンカンパニーに就職。営業部配属となり、大学卒業後の2021年4月に久慈市に移住。現在、営業部販売課として久慈工場に勤務。

「野球」と「鶏」がつないだ縁で、地縁のない岩手へ

広い農地や変化に富む気象条件を生かした多彩な岩手の農業。令和2年の岩手県の農業産出額は全国順位10位。県内品目別1位は県内産出額の22%を占める「ブロイラー(鶏肉)」です。全国でも3位の出荷量を誇る岩手の鶏肉は、銘柄鶏への取り組みも盛んで、栄養バランスのとれた飼料と清冽な水により、安全・安心に徹底的にこだわった生産を続けています。
株式会社十文字チキンカンパニー久慈工場に勤務する石井愛菜さんは、東京都東村山市出身。大学の畜産学科で鳥類を研究した経験を活かすため、この十文字チキンカンパニーを就職先に選びました。
「特別飼育鶏の『菜彩鶏(さいさいどり)』は、植物由来のタンパク質のみを与えたベジタリアンチキンで、鶏特有の臭みがほんとになく、ビタミンEなど栄養価が高いおいしいチキンです。私自身、大学にいたころは、鶏肉生産地は九州ばかりだと思っていて、岩手がこんなに盛んだとは知りませんでした。地元の東京圏を始め全国の人に岩手の鶏肉のおいしさを知ってもらいたいです。」

ご両親も東京都出身で、帰省する田舎はなかったという石井さん。子ども時代の思い出は、家族でよくでかけた野球観戦と動物園。
「野球は小学校3年生の時に弟と一緒に始めました。中学でも野球部に入り、高校の時はマネージャーとして選手のサポート役に回りましたが、大学では再びプレーヤーとして男子と一緒に準硬式野球を楽しみました。動物も好きで、将来は動物園の飼育員になりたくて、進学先を東京農業大学の畜産学科に選びました。」
野生動物とはまったく違う畜産動物の生態の勉強は1年生の時から新鮮な学びの連続。研修室配属後は、鳥類の中でも「うずら」をテーマに研究を続けます。
就職は岩手や東北へのIターンを希望していたため、まずは学校内で開催されたIターン就職希望者向けのガイダンスに参加し、岩手での就職活動について情報取集を開始。岩手県内で開催された新卒向けの合同説明会へ参加し、そこで十文字チキンカンパニーのブースを訪問。石井さんのブロイラーや生産農場について踏み込んだ質問に、淀みなく答えてくれる社員の方の専門性の高さと気さくそうな人柄に惹かれ、会社への興味が沸きます。
「岩手への就職を希望していたのは、大学の野球部の2年先輩で、先に盛岡でUターン就職をしていた彼氏を追うためです。彼の近くに住むために盛岡で就職することもできましたが、やはり自分がやりがいを感じる会社で働きたいと思い、盛岡と距離はあっても十文字チキンカンパニーへの就職を希望しました。」

採用後、久慈工場への配属が決定。初めての一人暮らしということもあり、物件選びを楽しみしていた石井さんですが、コロナ禍のため現地を訪問しての内見は叶わない状況に。
「会社が不動産会社を紹介してくれて、オンラインで内見することはできました。内見の後で、先輩社員がわざわざ部屋に足を運んで、写真をたくさん撮って送ってくださって細かいところまで見ることができました。東京の家賃感覚で部屋探しをしていると、久慈ではどれも広すぎて慌てましたね。最終的に、一人暮らしにちょうど良い部屋を契約することができました。」


全国でも珍しい「海の見えるダム」として眺望に訪れる人が多い「滝ダム」の前で

挫けそうになった「言葉の壁」
社員たちの明るさが心の支えに

2021年4月の入社に伴い、久慈市での生活が始まった石井さん。引っ越しと同時に車も購入し、車で片道10分の通勤路を運転して朝8時半に出社します。
「会社では営業部販売課として、資材の発注や配車業務などを担当しています。2年が経ち、運送・物流の仕組みや効率化に向けての工夫が見えてくるようになり、とても面白さを感じています。」
入社後、石井さんが一番苦労したというのは仕事の内容ではなく「方言」の聞き取り。久慈工場には500人以上の社員が勤務していますが、そのほとんどは近郊の出身者です。
「方言が聞き取れなくて怒る人はいませんし、みんな『わからなくても大丈夫だよ』と言ってくれるのですが、最初はとても悩みました。上司が方言を解説したWebページを印刷してくれたり、自分で方言ノートを作ったりして勉強をしました。今ではだいぶ聞き取れますし、わからないときは『なんですか?』とすぐに聞けます。知らない言葉を知る楽しみも感じるようになりました。」

帰りは18時過ぎには退社。自宅でテレビや動画を見てのんびりするのが好きなので、まっすぐ帰宅することが多いという石井さん。休日は「道の駅」へ食材を買いに行ったり、彼氏が住む盛岡まで車で出かけたりして過ごすことが多いそう。
「大学生の時に免許を取ったものの、ほとんど運転をしなかったので少し不安があったのですが、運転にも道路にもだいぶ慣れました。海の近くで暮らすのは初めてで、きれいな海が見える三陸道のドライブはとても気持ちがいいです。車は通勤にも使うので今では欠かせないものですが、冬に雪が積もった時は、車の雪下ろしや駐車場の雪かきのため、いつもよりだいぶ早起きしないといけないのが大変ですね。」
もともと寒いのが嫌いだったという石井さん。でも、この2年間でだいぶ寒さへの対応力もついてきたそう。逆に「やませ」の影響で8月でも平均気温は22℃という久慈の夏は、涼しくて快適に過ごせているといいます。

就職を機に、地縁のない久慈で暮らし始めてから2年。改めて久慈の印象を聞くと、真っ先に「人の明るさ!」と、石井さんは答えます。
「久慈工場のみなさんは、明るく気さくに話しかけてくれて、野球のチームに誘ってもらったり、上司には食事に連れていってもらったりしています。長く久慈に住んでいる先輩の方々は、久慈のおいしいお店とかおすすめスポットを教えてくれます。私自身、この2年間で岩手県内を含め東北のあちこちにでかけました。せっかく住んでいるのだから満喫しないともったいないという気持ちで、仕事も岩手暮らしも前向きに楽しみたいです。」

先輩社員のみなさんと


久慈市が舞台となった「あまちゃん」(NHK連続テレビ小説)の顔出しパネル

 

Q&A

東京の地元を離れることにまわりの反応は?

父はさすがに難色を示したのですが、彼と二人で父に説明して、納得してもらいました。大学の畜産学科の仲間は、同じように地方の農場などに就職する人が多かったので、私のIターン就職は特別なことではなかったですね。
地元の友だちに直接会う機会は減りましたが、ビデオ通話で顔を見ながらよく話しているので、物理的な距離で感じる寂しさみたいなものは、あまりないですね。

印象的な方言は?

「押ささる」とか「書かさる」など、「~できる」という意味の「~ささる」という方言は面白いと思いました。相槌の「そうだよね」という意味でいう「だからさぁ」は、その後に何か話すのかと思って、最初は言葉を待ってしまいましたね。あと「~してください」という意味で「~してケロ」というのですが、初めて聞いたときは思わずカエルを連想してしまいました。

若い同世代のIターン検討者にメッセージを

これは私が少し後悔していることなのですが、県や市など行政の移住支援制度を調べておくことですね。
私は「新卒就職」と「移住」があまり結びつかず、ほとんど調べなかったのですが、県には新卒者向けの移住支援金がありますし、久慈市には「Kターン若者雇用拡大奨励金交付事業」があります。また就職活動の交通費を支援してくれる制度(実施:公益財団法人ふるさといわて定住財団)もあります。岩手県の移住相談窓口も学生のうちから登録できて、もちろん就活サポートも受けられます。
移住が決まったら、少なくとも久慈のみなさんは明るく受け入れてくれるので、心配せずに岩手に来てほしいですね。

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