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移住コーディネーター

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地域を好きになるうちに下がった移住のハードル
地域おこし協力隊としてIターン

宮古市へ
Iターン

地域おこし協力隊

上之原良美さん

(千葉県出身/2019年移住)

千葉県出身。武蔵野大学グローバルコミュニケーション学部卒業。学生時代は、異文化交流と教育に興味を持ち学びながら、海外のプログラムや学外の活動に参加。首都圏の大学生主体の異世代交流プロジェクト「僕らの夏休みプロジェクト」への参加をきっかけに宮古市に関わり始める。大学を卒業後半年は、カフェで働きながら千葉と宮古を行き来し、2019年10月に宮古市地域おこし協力隊に着任。(2021年度取材)

ルーツのない宮古が
かけがえのない“田舎”になる

「両親は東京出身なので帰省する田舎はありませんでした。夏休みに、“田舎のおばあちゃん家の縁側でスイカを食べたよ”という友達の話が、うらやましかったですね。」
宮古市で地域おこし協力隊として活動する上之原さんは千葉県千葉市出身。小学生の頃から、お姉さんの影響で洋画や海外ドラマが好きになり、英語の学習や異文化交流に興味を持っていたそうです。
「英語だけではなく、様々な選択肢や可能性を教えられる教師になりたい。」という思いから、武蔵野大学の教育学部ではなくグローバルコミュニケーション学部に進学。4か国を訪問したり、英語力を生かして成田空港のエグゼクティブラウンジや大好きなカフェでアルバイトをしたりと、都会で充実した学生生活を送る一方で、上之原さんには大切にしている場所が他にもありました。それが宮古市です。
「東日本大震災がきっかけで始まった首都圏の大学生と被災地の小学生の交流プロジェクト “僕らの夏休みプロジェクト”で宮古市の担当になり、宮古に通うようになりました。田舎がない私にとって、宮古は初めて定期的に通う地方になり、みんなが田舎に愛着をもつように、私も宮古のことを知りたいという思いがどんどん強くなりました。」

子どもたちだけでなく地域の方々との触れ合いや町の雰囲気に惹かれて、個人的にも宮古に通うようになった上之原さん。大学卒業を間近に控えた2019年1月、市で地域おこし協力隊を募集していることを宮古の知り合いから教えてもらいます。
「教員免許は取ったけど、このまま新卒で教師になっても子どもたちに伝えられる経験は少ない。その葛藤から進路を決めかねていましたが、期限付きの仕事が宮古にあることで宮古での生活がリアルになりました。大学1年生の頃の私なら、全くルーツのない宮古に移住することはハードルが高く感じたと思います。でも今なら、町の雰囲気も分かって、友人もいて、住むイメージも持てる。そこに仕事が加わったことで、気づいたら移住のハードルはほとんどなくなっていました。」
宮古でシェアハウスしている友人に誘ってもらい、住まいも確保。高速バスで宮古に行くたびに、少しずつ荷物を運び「最後は自分が行くだけで、気づいたら引っ越しが終わっていた。」という身軽さで、宮古での生活が始まりました。

同期の協力隊員と宮古市田老の「Cafe Suica(カフェすいか)」にて

 

“好き”を発信して宮古の賑わいに繋げたい

地域おこし協力隊としての上之原さんのミッションは「空き家や空き店舗を活用したビジネスの構築事業」。空き家サポートブックというパンフレットを作成して空き家管理の啓発をしたり、空き家バンクに登録されている物件と周辺情報を撮影と編集をし、YouTubeに動画を公開したりしています。
そして、他の隊員と協力して取り組んだのが、市内スイーツ店のフォトブック「oAgence(オアゲンセ)」の制作。
「もともと私は、カフェや飲食店も好きなのですが、実際に宮古に住んでみて、地元の人もあまり知らない素敵なカフェやおいしいスイーツがたくさんあることに驚きました。市内の人にはもちろん、市外の人にも観光ガイドブックではわからない宮古の暮らしを感じてほしくてフォトブックを制作しました。カフェもそうですが、SNSなどで自分の“好き”や“気になる”を発信することで、宮古の賑わいに繋がればと考えて活動しています。」

仕事終わりのプライベート時間は、良い意味であまり変わらないという上之原さん。
「寄り道して図書館で本を借りたり、ドラッグストアで買い物したり。友達と食事した日の帰り道は、コーヒーやシェイクをテイクアウトして家でのんびり動画を見たり。都会にいたころとあまり変わらないですね。知り合いは、宮古は“毛ガニまつり”や“鮭まつり”などのイベントが多く、そこで出会う方も多くて、自然と友人が増えています。外国人の友人を作るのは難しいかなと思っていたのですが、“ALTで赴任している外国人教師の人を知っているから紹介する?”みたいな感じで、町が程よい狭さなので私の希望を知っていて下さる方が多く、縁が繋がることも多いです。」

協力隊は2022年3月末に退任予定。上之原さんは2年半の活動を通して、一つの夢を見つけたそうです。
「憧れのカフェを宮古で開業したいです。協力隊で活動していなければ、カフェの開業もきっとハードルを高く感じたままだったと思います。でも、実際に空き店舗をリノベーションし飲食店を開業するその過程や、宮古市の創業支援制度を有効に活用する例を間近で見てきて、自分も挑戦したいと思えるようになりました。」
退任後はカフェ開業の修行のため、イタリアへの短期間の渡欧を予定しているとのこと。
「修行が終わったら宮古に戻って、観光客や外国人にも宮古のディープな魅力を伝えるお店を開きたいです。お店の場所は、市街地の利便性の良い場所にするか、または海沿いの眺めの良い場所にするか、迷っちゃいますね。」
軽やかに挑戦を続ける上之原さんの夢が、また宮古に新しい賑わいをもたらしてくれそうです。

 
(左)地域おこし協力隊として全国のイベントにも参加 (右)フォトブック「oAgence(オアゲンセ)」

Q&A

移住を検討している人にメッセージを

来たら趣味や考え方は変わるかもしれないので、今までの価値観にはあまりとらわれない方が良いと思います。私は都会にいるときはドライブについて、「車に乗って移動するだけなのに、何が楽しいのかな?」とすら思っていたのですが、宮古に来て、見晴らしの良い道路を渋滞もなく快適に走る楽しさを知り、すっかりドライブ好きになりました。

移住前に地域を知るおすすめの方法は?

実際に行ってみて、滞在してみるのが一番かと思いますが、それが難しい場合は、移住検討先の気になるお店や人物のSNSをフォローしてみるのも良いと思います。「今日のランチ」みたいな何気ない話題にも、地域の日常を感じられますし、実際に行ってみようというモチベーションアップにもなると思います。

地域おこし協力隊の活動や待遇は?

宮古市の場合は隊員ごとに活動ミッションが決まっていて、同時期に活動しているメンバーは「観光地を中心としたインバウンド対応事業」や「複業などによる関係人口創出事業」などのミッションがありました。自治体よってはテーマフリーの企画提案型やベンチャー(起業)型の活動もあります。待遇は、宮古市は月々の報酬以外に期末手当が2回あり、住居費も月額3万円を上限に補助があります。地域おこし協力隊は、岩手県内市町村各地で適宜募集がありますので、チェックしてみてください

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