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移住コーディネーター

and iwate

成長する故郷に見えた商機
夫婦で個人ジムをUターン開業

北上市へ
Uターン

パーソナルジムTAKIZAWA内Mama's body岩手店オーナー

瀧澤佐知子さん

(北上市出身/2023年移住)


北上市出身。仙台市内の専門学校でエアロビクスインストラクター資格を取得。卒業後、上京して大手フィットネスクラブに就職。レッスン指導や商品開発、人材育成を担当する。2023年3月、家族で北上市にUターン。職場で出会った夫・恭平さん(長野市出身)とともに「パーソナルジムTAKIZAWA」を開業。(2023年度取材)

キャリアを手放すのは「もったいない」
北上に感じた開業のチャンス

県内最大の産業集積都市として発展し、全10箇所の工業団地、流通基地、産業業務団地が整備されている北上市。近年の代表的な企業誘致は、2017年に設立した世界トップクラスのフラッシュメモリ専業企業「キオクシア岩手株式会社」。従業員数は1,000人を超え、さらなる製造設備の増設のため現在は第2製造棟を建設中。人口減少が著しい地方都市の中で人口の維持を続けています。2023年5月、北上市内にパーソナルジムを開業した瀧澤佐知子さんは、この北上市の経済成長がUターンに際し、開業を勇気づけたとお話しします。

佐知子さんは北上市出身。高校の体育教師だったお父さんを筆頭にスポーツ好きの家族の中で成長。休日は3人のお兄さんたちと野球などをして遊んだそうです。陸上部に所属し、短距離選手として中学時代は全国大会、高校時代には東北大会に出場。大好きなスポーツに関わる仕事をしたいと、宮城県仙台市の専門学校でエアロビクスインストラクター資格を取得。卒業後は、東京の大手フィットネスクラブに就職しました。
職場で出会った長野市出身の恭平さんと29歳の時に結婚し、長女も誕生。公私ともに充実した都会の生活の中でUターンを強く意識したのは6年前。お父さんの他界で感じた喪失感がきっかけだったと言います。
「娘も1歳と手のかかるときだったため、父に対して何もできなかったという無力感が残りました。もう後悔をしないように家族のそばで暮らしたいと考えるようになりました。」

その後、長男が誕生。都会の中で頼る人のいない夫婦だけの二人目育児の忙しさで、Uターン計画はさらに具体的に進むことに。佐知子さん実家のとなりの土地にマイホームを建てることで住居の問題はクリアできるため、残る大きな問題は仕事のこと。
「都会ほどフィットネス関連の求人はないので別業種への転職も考えました。でも夫婦ともに20年近く積んだ業界のキャリアを捨ててしまうのはもったいなくて、諦められませんでした。」
そこで思いついたのが、転職ではなく、故郷で自分たちのジムを開業することです。
「工業団地の企業には本社から出向してくるビジネスマンや、近隣市町から通勤してくる従業員も多く、北上は流入人口が多い街です。コロナ禍を経た今、マンツーマンで指導が受けられるパーソナルジムの需要も高まっています。ダイエットやボディメイクだけでなく、ゴルフのパフォーマンス向上のための筋力アップなど、一人一人の希望を叶えるオーダーメイドのパーソナルトレーニングジムは、北上ならチャンスがあるのではと思いました。」

花巻温泉を流れる台川沿いにある「釜淵の滝」の前で

 

家族の協力と地域の応援
故郷の健康を支えるジムに

2023年3月、長女の小学校入学のタイミングで北上市にUターン。自宅からほぼ1kmという近さに空きテナントを見つけることができ、5月に「パーソナルジムTAKIZAWA」をオープンしました。佐知子さんは女性の産前産後ケアをする東京の整体サロン「Mama’s Body」の資格を取り、岩手店を併設。自身の出産経験を活かし、同じママとして妊産婦の心と体をケアする施術を担います。利用者は学生から70代までと幅広く、夏休み中は、本格的にスポーツに取り組む小学生の利用もあったそうです。
「開業準備に忙しく宣伝も十分にできませんでしたが、地元紙に取り上げてもらったことで、同級生が子どもを連れて来てくれたり、高校時代の先生が連絡をくれたりしました。市役所に子どもの就学手続きに行ったときも、ジム開業の話をするとチラシ配布に協力していただけましたし、市の職員の知り合いに声をかけていただき、子育てイベントに参加することもできました。地域から応援してもらっているなと感じます。」

となりの実家で暮らすお母さんに育児を協力してもらったり、自営業で自分のペースで仕事ができるようになったりしたことで、都会にいた時とは比較にならないほど心にゆとりが持てるようになったという佐知子さん。娘さんの初めての夏休みは、車で県内のいろいろな場所に遊びに行ったそう。佐知子さんは北上平野に広がる青空や青々とした水田といった見慣れた風景に、海のない県で育った恭平さんは海水浴やおいしい海鮮料理といった新鮮な体験に、それぞれいわて暮らしの良さを実感しているそうです。
「子どもたちも、北上に来てから可能性が広がっているなと感じます。家と学校以外に、となりのおばあちゃんの家という自分の足で行ける第3の居場所ができましたし、東京の公園は自転車禁止・ボール遊び禁止といった禁止事項が多いですが、こちらの広い公園にはそれらがありません。マイホームを建てたことで一人部屋を持たせてあげることができたし、自宅の敷地で都会ではできなかった花火などの遊びもできます。日常生活については、地方の方が子どもの選択肢は多いと感じます。」

ジムのこれからについて、「人生100年時代と言われる今、ずっと健康で暮らせるように地域のみなさんの健康づくりをサポートしていきたい。」と夫婦の夢をお話しする佐知子さんと恭平さん。
佐知子さんは陸上部、恭平さんはバレーボール部と、ともにスポーツに打ち込んできたお二人。子どもたちにも好きなスポーツを見つけてほしいと思う一方で、息子さんには、おとなり花巻市にある“岩手から日本一”を目指す強豪校・花巻東高校硬式野球部に入部してほしいという希望もあるそう。「甲子園に応援に行けたら嬉しいですね。」と、家族の新しい夢も広がります。

(左)施術をする佐知子さん  (右)家族のおでかけで厳美渓(一関市)へ

大槌町の浪板海岸で海水浴

Q&A

北上市での交友関係は?

私は地元出身なので、同級生と再会するなど以前の交友関係が戻ってきています。夫は、地域の青年部に所属し、盆踊り大会の準備を手伝ったり、打ち上げでおいしい日本酒を飲んだりと、東京にいた時よりも集まりの機会は増えているようです。

Uターンして、都会よりも節約できていることは?

産直で安く野菜を買ったり、ご近所の方におすそ分けをいただいたりして、食費はかなり節約できています。おすそ分けは食材だけでなく、自家製の梅ジュースなど加工品をいただくこともあります。
都会では電車通勤するときに、駅でちょっとカフェに寄ったり、スイーツを買ってみたりという出費が多かったのですが、こちらでは自転車で5分ほどの通勤路なので、寄り道もほとんどしなくなりました。都会にいた時は、寄り道が余計な出費とすら思っていなかったので、改めて考えると都会はやっぱり誘惑が多かったなと思います。

嫁ターン(妻の地元にUターンすること)で気を付けたことは?

ずっと一緒に帰省していたので、夫も北上の様子は分かっていたし、Uターンにも賛成してくれていました。でも、お気に入りのお店に行けなくなったことや、夜の街が暗いことなど、移住後の変化にストレスを感じるところもあったようです。私がリラックスして暮らせている分、夫には一人で外食に行く時間を作ってあげたり、職場には夫だけの場所を設けたり、ストレスを解消できるよう気を配りました。

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