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移住コーディネーター

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自分らしく働くため地域おこし協力隊に
ママとして隊員として故郷で成長中

一戸町へ
Uターン

一戸町地域おこし協力隊

滝野理香子さん

(一戸町出身/2022年2月移住)

一戸町出身。盛岡市内の企業に勤めた後に上京。都内の鉄道会社に勤務し、路面電車のアテンダントや改札・窓口業務に従事。2022年2月に盛岡市出身の夫とともに家族でUターン。一戸町地域おこし協力隊として高原野菜のPRなどをテーマに活動中。(2022年度取材)

子育て中でもキャリアを継続するために
「地域おこし協力隊」という選択

一戸町の最南部に位置する奥中山(おくなかやま)。高原の爽やかな気候と手つかずの豊かな自然に魅かれて、近年移住者が増えている地域です。2022年4月から一戸町地域おこし協力隊として活動している滝野理香子さんは、奥中山を「アメリカのよう」と例えます。
「ほかの移住者の方とも話すのですが、この奥中山には農業研修施設があったり、先進的な福祉施設が集まっていたり、スキーリゾート場があったりと、さまざまな目的で人々が集う多様な“州”がいくつもあって、合衆国のようだという意味です。出身も目的も違う人が集まるから、繋がりやすく、入りやすいコミュニティができているなと感じます。」

2022年2月に、盛岡市出身の夫・遼さんともに東京からUターンした理香子さんは、この奥中山出身。町の特産品でもある葉タバコを生産する専業農家の家で育ちました。「畑仕事は嫌いではなかったけど、東京に憧れる気持ちが強く、将来は自分も農業をやろうとはまったく考えていなかった。」と子ども時代を振り返ります。
高校を卒業後、盛岡市内の企業に4年ほど勤めたあと、当時遠距離恋愛中だった遼さんを追って上京を決意。遼さんが運転士として勤務していた鉄道会社の採用試験に合格するため「人生で一番勉強した」という努力が実り、ついに憧れの東京へ上京を果たします。
「上京したての頃は、人気パンケーキ店の行列に2時間並ぶとかやりたかったことをやったのですが、それもすぐに飽きてしまいました。自然や岩手を恋しく感じて、夫とのデートでは高尾山に登ったり、東銀座にある岩手のアンテナショップに行ったりしていましたね。」

2018年に娘を出産し、1歳となるタイミングで育休から復職。後に続く女性鉄道員のモデルとなるよう育児と仕事を両立したいと意気込む一方で、朝5時から娘を保育園に預けるという慌ただしい生活に、もっとゆっくり子どもと向き合いたいという葛藤が生まれます。
2019年10月、有楽町で開催された岩手県の市町村と企業が一堂に集う「岩手県移住フェア」に家族で参加。一戸町ブースで話を聞いたり、企業ブースでIGRいわて銀河鉄道株式会社を訪問したりし、Uターンに向けて動き出すことに。岩手県U・Iターンセンターの就職相談などを活用して2021年11月に遼さんのIGRへの転職が決定。理香子さんにとっては、子どもと向き合う時間を作るためのUターンでしたが、遼さんからのアドバイスで帰郷後も仕事を続けることを決めます。
「最初に地域おこし協力隊に興味を持ったのは夫の方で、 “子育てのために仕事を止めたら、子育てが終わった時の喪失感は大きいかもしれない。少しでもやりたいことがあるならキャリアを継続した方が良いのではないか”と後押ししてくれました。私は一戸に戻ったら挑戦したいことがあり、それが叶いそうな協力隊に応募することにしました。」

Uターン前、帰省したタイミングで撮影した実家の田んぼでの写真。自然の中で娘さんが楽そうに過ごす姿もUターンの決め手に。

 

町と自分のためのチャレンジの日々
隊員卒業後に見えてきたビジョンも

「一戸町の協力隊員の勤務時間は、原則週5日、1日6時間以内で週30時間のフレックスタイム制が基本です。時間に融通が利くにようになったので保育園行事にも行きやすくなりましたし、新しく習い事でピアノを始めさせてあげることもできました。どうしてもお迎えの時間と仕事が重なるときは、近居している両親や姉が迎えに行ってくれます。」
家族のサポートもあり、無理のないペースで育児と仕事を両立している理香子さん。休日も、奥中山には子育て中の家族に嬉しい場所がたくさんあります。
「岩手県唯一の大型児童館・いわて子どもの森が近くにあるので、雨天でも冬の寒い時期でも、屋内で娘を遊ばせることができます。奥中山高原温泉は、多い時には週3回で通っています。母と娘と私と、親子3世代で温泉に入る時間はとても満たされますね。」

やりたかったことに挑戦するために、協力隊を仕事に選んだ理香子さん。一戸に戻ったら挑戦したかったこと、それは「実家で栽培するトウモロコシをはじめとする奥中山の高原野菜を有名にする」こと。
「実家では、両親が10年ほど前からトウモロコシ栽培を始めました。高原特有の日中と夜の激しい寒暖差のおかげで、甘みが強くおいしいトウモロコシが育っています。奥中山の高原野菜はどれもおいしく、夏のレタスやトウモロコシだけではなく、冬の特産品であるしいたけはとっても肉厚ですし、アスパラガスの甘さは日本一だと思っています。」
奥中山高原野菜のブランド化を目指し、野菜のPR動画を作成したり、農業体験ツアーを企画したりし、高原野菜の知名度を上げる活動を行う理香子さん。イベント等を一から準備することは初めてで戸惑うことも多いそうですが、一人では無理だと感じることも、色々な方から企画のアイデアをもらったり協力を得たりすることで進められているそう。何よりそんな町や農家さんたちを盛り上げたいという想いが原動力となるから頑張れるといいます。協力隊卒業後は、高原野菜の移動販売や野菜を使ったお菓子の開発など、起業へのビジョンを描きます。

「夫も、奥中山の自然や実家のトウモロコシが大好きになり、移住先に一戸を選んでくれました。オンラインショップへの出店も夫が手掛けてくれましたし、盛岡の義両親も農繁期などに娘を預かってくれます。家族が一丸となって一つの目標に向かえていることが、何より幸せだと感じています。」
理香子さん家族が生産するトウモロコシの商品名は、奥中山と一戸の地名を取った「奥いちきみ」。家族を一つにするトウモロコシは、今年ももうすぐ種まきの春を迎えます。


トウモロコシ畑での写真。左は協力隊の活動で動画撮影のために朝5時に撮影したもの

夫の遼さん(右)と娘さん、ご両親との家族写真

 

Q&A

利用した移住支援制度はありますか?

夫は、転職先のIGRいわて銀河鉄道株式会社が移住支援金対象法人だったので、「岩手県移住支援金」の支給対象になりました。移住支援金は、夫が盛岡にある本社まで車で通勤することも多いので自家用車の購入費に充てました。一戸町の場合は、ここ奥中山にある農業研修施設「一戸夢ファーム」で2週間以上の農業研修実績がある人は、対象法人への就職ではなくても、移住支援金の支給対象となることができます。(※移住元要件あり)

住まい探しはどうしましたか?

夫のIGRへの採用が決まったタイミングで一戸町に相談し、町が整備する「子育て支援住宅」への入居準備を進めました。子育て支援住宅はマンションタイプや長屋タイプがあり、私たちが入居しているのは築5年と新しい2LDKの長屋です。子ども1人の場合は、家賃は月3万円台で、町外から転入して入居する場合は、さらに1万円を3年間減額してもらえます。

地域おこし協力隊への応募を検討する子育て中の方にメッセージを

一戸町の場合は、自分で活動時間を決められるので子育て中の方にはむしろ合っていると思います。特に起業など個人での仕事を考えている方にはお勧めです。セミナー等に参加して学ぶ機会も多く、活動を通して様々な経験が得られます。一戸町では月1回程度、協力隊同士でミーティングを行いますし、隊員OBとの交流もあるので、自然と人脈も広がっています。

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