楽しいことを突き詰めながら、
多様な人が集える居場所をつくる
八幡平市へ
Iターン
シェアハウス「Your Base」大家
沢田昇太さん
(青森県出身/2019年に移住)
青森県出身。青森県内の自動車部品会社に勤務した後、岩手県滝沢市の自動車整備工場に転職。 八幡平市で開催されたスパルタキャンプの受講をきっかけに移住し、2019年5月にシェアハウスを開業。(2019年度取材)
起業する夢を実現するために
シェアハウスの運営をスタート
いま八幡平市が、国内外の起業を目指す若者たちから熱い注目を集めていることを知っていますか?その理由は、「スパルタキャンプ」。無料でITスキルを習得できる、1ヶ月間の短期集中型プログラミングスクールです。2018年3月に受講した沢田昇太さんも、卒業生の一人。当時、滝沢市の自動車整備会社で働いていた沢田さんですが、「起業して社長になること」が小さな頃からの夢でした。高校卒業後は、自動車部品会社の営業マンとして、転職した自動車整備会社では整備工として技術を習得。「起業したい」という思いを抱きながらも、やりたいことを見つけられないまま働いていたと言います。
「受講したのは、自分のスキルアップを図り、起業への突破口を開きたかったから。同じ目標を持った意欲的な人が集まっていたので、すごく刺激的で面白かったですね」。同じキャンプを卒業した仲間が、地域おこし協力隊などで八幡平市に移住していたこともあり、「みんなの居場所づくり」を実現したいとシェアハウスの立ち上げを決意。何事も即行動!という沢田さんは、早速市内のアパート経営者に掛け合い、物件を紹介してもらいました。
「縁もゆかりもない土地ですが、八幡平市には大きな可能性を感じています。ここは自然や観光資源が豊富で、外国人の観光客も増えている注目のエリア。これから絶対くる!という直感がありましたし、ビジネスチャンスにつなげていきたいという思いもあって移住したんです」。思い立ってから半年後の2019年5月、沢田さんはシェアハウス『Your Base』を大更地区に開業しました。
多様な人々が集う居場所をつくり、
新たなビジネスモデルを生み出す
国道282号線沿いにある『Your Base』は、元病院だった木造2階建ての建物。キッチンとリビングを兼ねた1室を含めて、全6部屋を備えています。現在、ここに暮らすのは20代〜30代の男女6人。そのほとんどが県外出身者で、ハワイやマレーシアから移住してきた人もいます。「みんなスパルタキャンプでつながった仲間たち。仕事も価値観も様々ですが、多様なプロフィールの人が面白く暮らせる場所をつくりたかった。いうなればここは、一つのダイバーシティです(笑)」。
そのために沢田さんが心がけているのが、地域の人々とのコミュニケーション。大家業の傍ら、学童クラブの先生や飲食店などでのバイトを掛け持ちし、「シェアハウスの沢田」を知ってもらう機会を増やしています。「移住の障壁となるのは、やっぱり人間関係。誰もがスムーズに地域に溶け込める人ばかりではないですから、まず僕自身のことを信頼してもらうことが大事。それができれば、入居した仲間も受け入れてもらいやすくなります」。移住してからまだ1年ほどですが、地域の知り合いも増え、県内外のネットワークも格段に広がったと言います。
「僕のモットーは、楽しいこと、ワクワクできることを突き詰めていくこと。そのための苦労はたくさんありますが、不安材料ばかりを気にしてもきりがない。移住をきっかけに広がったつながりを大事にしながら、新たな仕事を生み出していければ最高ですね」。いま構想しているのは、新しいスタイルの弁当のデリバリーと飲食業。持ち前の行動力と熱い思いをチカラに、沢田さんは八幡平市に新しい風を起こそうとしています。
Q&A
岩手での暮らしはどうですか?
八幡平市は自然が豊かで、安比高原や岩手山など観光資源も豊富。移住してからはキャンプを楽しんだり、牧場のイベントを手伝ったり、雪山をバギーで駆け回ったり、アウトドアを満喫しています。山に入るためにマイ斧を購入しましたし、来年は狩猟免許も取りたいと思っているんですよ。
移住生活で気をつけることは?
仕事さえ選ばなければ、お金はなんとでもなります。一番気をつけなければいけないのが、地域での人間関係。コミュニケーションを取るのが苦手な人もいるかもしれませんが、地域に馴染めるように努力することが大切。僕の場合、声をかけられたら「行きます」と即決することが多いかも。どうせなら楽しく暮らしたいので、地元の人とも仲良くしたいじゃないですか。
起業して変わったことは?
会社員時代は、どうしても時間に縛られるので、仕事関係の付き合いで終わるのがほとんどでした。でも、個人事業主になってからは、自分の好きな時間にいろいろな人たちと会うことができるようになり、交流の幅がすごく広がりました。TwitterやInstagram、YouTubeなどで八幡平の魅力を発信しているので、SNSからも人脈が広がっていますね。