花巻の移住者たちの基盤（プラットホーム）となる場所に

岩手県で唯一の空港「いわて花巻空港」があり、岩手の空の玄関口を担う花巻市。便利な交通の要所であるだけでなく、宮沢賢治を育んだ地として豊かな伝統と文化や、個性豊かな12カ所の湯が楽しめる温泉郷。それらを生かした観光業が盛んで求人も多く、移住検討者から注目のエリアです。
その花巻の移住者サポートや交流の場づくりを目指す「イージューはなまき」は、2019年春にその活動をスタート。花巻市地域おこし協力隊であった岡田芳美さんが任期の最終年に立ち上げました。
「私はUターンで人との交流も好きですが、夫は埼玉からのIターンで初対面の人と話すのが苦手なタイプ。両極端ですが、それぞれに移住直後は地域になじむための苦労がありました。そんな自分たちの経験から“イージューはなまき”のヨメとダンナとして、移住にまつわる情報、そして現在進行形の娘二人の子育てを含めた花巻の暮らしを発信しています。」

WEBサイトやSNSでの情報発信をしながら、定期的に移住者交流会も開催。「初めて訪問するきっかけになれば」と、毎回、異なる飲食店や公共施設を会場にしています。直近では、冬の初めに、Uターン経験のあるオーナーが運営する「山小屋カフェ kurakake」で、「冬の過ごし方勉強会」をテーマとした交流会を開催。13人の参加者が、雪道の歩き方や除雪の仕方、スノーブーツの選び方などの情報を共有しながら親睦を深めました。
冬の過ごし方をテーマにした交流会は２年連続で開催中。その中で話題に挙がった「運転に注意が必要な雪道情報」は、岡田さんがまとめてマップを作成し、WEBサイトにも公開しています。

WEBサイトでは、花巻市内のイベント情報やおすすめスポット、そして趣味や仲間づくりのための地域のコミュニティ情報なども掲載しています。
「花巻に移住したばかりの人には最初に降り立つ駅のプラットホームのように。そして花巻に慣れた人にとってはまたいつでもぷらっと立ち寄れるお家のように、この地での基盤（プラットホーム）になれたら嬉しいですね。交流会も、もう少し開催したいですし、定期的に相談会などの場を設けて、大人数での交流が苦手な方とじっくり話す機会が作れたらとも思います。」

移住者への情報発信以外にも岡田さんが力を入れているのは、 移住者たちに関する情報の花巻市民への発信。2022年度は、地元の東和地域支援室通信に、「もっとローカル！」というタイトルで移住者インタビューなどを紹介する記事を連載しました。
「ずっと花巻という地元の方は、移住者がどんなことに困っているのかすら、なかなか知る機会がないと思います。まずは移住者の現状や思いを知ってもらい、移住の方もどんどん地域に入っていただき、双方にとって住みやすい町になったら嬉しいですね。」
イージューはなまきの「イージュー」は、「移住」だけでなく、「いい住」になるようにとの想いも込めたとのこと。
「移住するみなさんを歓迎する“第一村人”になりたいという気持ちで運営しています。花巻市に限らず近郊への移住の方も、これから移住される方も、お気軽にWEBサイト内のお問合せフォームや、ＳＮＳでのメッセージを使って、連絡をいただけたらと思います。」

（2022年度取材）

様々な活動に対応する設備が揃う「まなび学園（生涯学園都市会館）」で開催した移住者交流会

東和町の宮一農園で開催した「リンゴの花を愛でる会」

 　
（左）移住者交流会に参加したIターンママさんの声がきっかけとなり制作された「花巻・子どもと一緒におでかけマップ」
（右）「移住者交流会 ～冬のすごし方勉強会～」で配付された先輩移住者が作成した冊子。雪かきの道具や雪道の運転について可愛いイラストで説明。イージューはなまきのWEBサイト内で、ダウンロード版と電子ブック版で公開中。

お話を伺ったイージューはなまき 代表　岡田芳美さん

［お問い合わせ先］イージューはなまき
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