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移住コーディネーター

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世界遺産の町で最新ITスキルを学ぶ
転機となったプログラミング講座

平泉町へ
Iターン

エンジニア

芳賀直人さん

(群馬県出身/2022年移住)

群馬県館林市出身。地元企業に就職した後、外資系機械メーカーに転職し名古屋営業所で勤務。個人でのECサイト運営に興味を持ち、プログラミングを学ぶ機会を探して2022年2月に平泉町で開催された無料のプログラミング講座「スパルタキャンプ」に参加。受講後、平泉町に移住し、株式会社NEXT REVOLUTION(八幡平市)のリモートワーク社員として勤務中。(2022年度取材)

受講費・滞在費無料の「スパルタキャンプ in 平泉町」

岩手県八幡平市に本社を置く株式会社NEXT REVOLUTIONが行う短期集中型プログラミングスクール「スパルタキャンプ」。“知識ゼロからガチで仕事をできるレベルまで強制的に成長してもらう”というコンセプトの元、有料版や無料版のプログラミング講座を全国で開催しています。八幡平市だけでなく平泉町も、地方創生策の一環として講座を公費で開催していて、受講費だけでなく開催期間の1ヶ月間の滞在費もなんと無料。回を重ねるごとに全国から応募者が増加しています。

株式会社NEXT REVOLUTIONのリモートワーク社員として平泉町で働く芳賀直人さんは、自身もこのスパルタキャンプの修了生。2022年2月に開催されたPHP(Web系のプログラミング言語)編に参加するため、初めて平泉町を訪れました。
群馬県館林市出身の芳賀さんは、地元の化学メーカーに就職して8年間勤めた後、外資系機械メーカーに転職し、名古屋営業所に3年間勤務。その間に、ワーキングホリデーを利用しカナダやアメリカでの生活も経験したそうです。
「よりネイティブな人たちに囲まれた暮らしがしたいと思い、アルバイト先として定石な日本食レストランではなくて、あえて日本人のいなそうなお店を探して、飛び込みで履歴書を渡して回っていました。ワーキングホリデーを機に初めて地元を離れたので、どうせ住むなら、より現地に溶け込んで、その地域を楽しみたいという思いが強かったです。」

興味のあった個人でのECサイトの運営に挑戦するため、前職を退職。仕事を離れたタイミングを生かし、九州へ自動車の旅に出かけ、鹿児島県まで来たとき、ふいにこれからの挑戦のためのITスキルの習得を思い立ちます。
「最南端の鹿児島には来たけど、この旅にゴールはないと気づいたとき、次のステップアップのための視点に切り替わりました。車内でプログラミングを学ぶ方法を検索し、目に入ったのが、無料で参加できる平泉町のスパルタキャンプです。すぐに参加申込をし、その後で、平泉という地名は世界遺産の町として知っているけど、場所はどこなのかなと調べ始めました。」

「スパルタキャンプ in 平泉町」の様子

 

 

町を上げての手厚いサポートに感動

九州旅行を終えた自動車で、今度は東北道を岩手に向かって北上。真冬の平泉町で、1カ月間のスパルタキャンプがスタートします。
「講義は土日にそれぞれ9時間ほどです。平日は主に課題や復習に時間を充てますが、基本は自由なので、気分転換に徒歩で行ける近所の温泉によく足を運んでいました。」
参加者は町が準備した「平泉町志業シェアハウス(オープンスペース)」に無料滞在が可能。土日の講義会場は、地元企業の株式会社長島製作所 平泉工場が研修室を提供し、15人の参加者が互いに切磋琢磨し、スキル習得を目指します。
「町も企業も、この講座に真摯に向き合って、受講者を歓迎するウェルカムな雰囲気に感嘆しました。そして、大人になってからみんなで勉強する楽しさは想像以上でした。町ももちろんですが、このスパルタキャンプの運営に自分も関わりたいと思い、運営会社で働くことを希望しました。」

現在は、平泉駅から徒歩5分程度の場所にあるアパートで一人暮らし。会社は八幡平市に事業所があるため、リモートワークで、自宅にて仕事をしています。
町での暮らしは、「もう少しコンビニがあればいいなとも思うけど、不便さを覚悟してきたので、あまり不満はない」とのこと。
「日課の運動も、名古屋にいたころはジムに通っていましたが、ジムがないここでは、北上川の河川敷でのランニングや家でできるトレーニングで満足しています。趣味の読書も、平泉町学習交流施設エピカの図書館に行って本を借りて読んでいます。町の人口が少ない分、借りたい本が借りやすい気がします。」

プログラミングの技術はまさに日進月歩。芳賀さんもエンジニアとして、講座のカリキュラムを考えたり、テーマとなる言語や技術を学んだりと、新しい技術の習得に忙しい日々を送ります。だからこそ、この平泉の環境が良いのだと芳賀さんは言います。
「都会にいれば、流行の変化や新商品の広告などエンタメ性の強いものが嫌でも目に飛び込んできます。仕事でもプライベートでも、常に大量の情報に晒されるというのは、疲れてしまって自分には無理でしょう。平泉は千年も前の平和の思想と史跡を、現代に伝え続ける歴史の町です。この町の落ち着いた環境だからこそ、安心して新しい技術に向かい合うことができているように思います。」
仕事に打ち込む一方で、日々の励みに、これからの楽しい予定をいろいろ考えるのが好きだという芳賀さん。岩手山など県内の山々に登ったり、野球のチームに入ったり、紅葉が美しい秋には両親を招いて中尊寺や毛越寺へ案内したりと、平泉の暮らしをさらに楽しむプログラムも組み立てています。


(左)2022年7月に開館した平泉町学習交流施設エピカ。図書館だけでなく公民館や多目的ホール、子育て支援スペースなども備えた複合施設。
(右)平泉駅周辺~中尊寺へ向かう県道300号(旧国道4号)沿いの桜並木。約1.5kmにわたりソメイヨシノ並木が続き、満開時は「桜のトンネル」が楽しめる。

Q&A

「スパルタキャンプ in 平泉町」はどんな人が参加できますか?

高校生以上でプログラミングを学習したいという強い意思を持った方ならOKです。プログラミングの勉強というと、一人で黙々と画面に向かってひたすらトライアンドエラー、というイメージがあるかもしれませんが、この講座では境遇や経験も様々な仲間たちと、みんなで教えたり教わったりしながら理解を深められます。この1カ月間で人生が変わると言っても大げさじゃないですよ!

「スパルタキャンプ in 平泉町」の修了生のその後は?

最近、平泉町への移住が決まった方が2名いて、一人は町内の宿泊施設に就職、もう一人は、講義会場を提供して下さっている株式会社長島製作所への就職が決まりました。講座中にできた仲間と友人関係が続いている人は多いです。友人がいることで、移住の不安の軽減にもつながっていると思います。

平泉にきてよく買うようになったものは?

もともと自炊をする習慣があったので、食料品店で買う食材はあまり変わらないのですが、平泉にきてからはリンゴを良く買うようになりました。スーパーの中にも生産者直売所コーナーがあって、食べるにはまったく問題ないような傷ありリンゴが安く売られていて、食べる機会が増えました。

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