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「いわて暮らしビジュアルブック」第7回レポート 県内各地で移住者さん取材、進行中!
2023.01.12
夏から本格スタートした「いわて暮らしビジュアルブック」の制作作業は佳境を迎え、ブックでご紹介するIターン移住者への取材が県内各地域で進行中です。岩手県を4つに分けた県央、県南、県北、沿岸、それぞれのエリアで暮らす3組の移住者のもとを訪ね、インタビューするとともに、日々の暮らしや地域に根ざし働く現場に密着し、撮影にご協力いただいています。
沿岸最南端のまちでわかめと牡蠣の生産者を訪ねる
今回、制作チームが訪れたのは、沿岸部の最南端・陸前高田市です。南東に向かって開けた広田湾をぐるりと囲む同市。渓流釣りで有名な清流・気仙川が山の栄養分を海へと運び、牡蠣、ほたて、わかめなどの養殖がさかんな地域です。
撮影は、前回レポートでご紹介した飯坂大さん。ご自身も八幡平市に移住したIターン者で、岩手を拠点にしながら国内外し、雑誌などで活躍している写真家です。
早朝4時半、まだ真っ暗な漁港に集合。
一つだけ光が灯っている建物の前で出迎えてくれたのが、わかめと牡蠣の生産者である移住者さん。この建物は、牡蠣を出荷するための作業場です。
移住者さんが日々、仕事をしているのはこの作業小屋、そして海の上。それぞれをぜひ取材したいとお願いしていましたが、もちろん強風などの悪天候では船を出すことはできません。前日の沿岸部は時おり雨が降るあいにくの空模様……。一同、天気と風が気がかりでしたが、「船、出せそうです」という移住者さんの言葉にひと安心。
朝の海 船の上での撮影
今回の移住者さんは、ベテランの生産者のもとで牡蠣やわかめの養殖の仕事をしながら、自身もひとりの生産者として船や養殖施設を持ち、わかめの生産に取り組んでいます。この日は、広田湾に浮かぶ養殖施設の様子を見に行く船に同乗させてもらいます。
もう少し空が明るくなるのを待ちながら、お話を伺うことに。陸前高田を訪れたきっかけや移住の経緯、復興が進む陸前高田での暮らしの変化……。さらにわかめ養殖の作業の工程などについても、丁寧に分かりやすく説明してくれました。
聴きたいことはまだまだありますが、窓の外が明るくなり、いざ出航の時!移住者さんは軽い身のこなしで岸壁から船に舞い降り、エンジンを掛けました。「都会育ちでも8年も海の仕事をしているとこんなふうに動けるのか!」と感動しつつ、私たちも救命胴衣を身につけ、乗り込みました。
湾内の養殖施設に到着すると、そこで船をいったん固定。「いかだ」と呼ばれる養殖施設は、組んだ丸太に浮きを付けたもので、不安定に見えますが、その上を身軽に行き来していました。
海上での撮影を終え漁港に戻り、殻付き牡蠣の出荷準備の作業をするという移住者さんとはいったん解散。
アットホームな職場の皆さんとの休憩時間
午前の休憩時間に合わせて作業場に戻ると、10人以上の人たちが作業の真っ最中でした。
休憩時間になると、みんな一斉に手を止め、小屋の隅にあるストーブのまわりへ。おせんべいや菓子パン、コーヒーを片手にほっとひと息。20代の若者からシニア世代まで年齢も幅広く、さらに移住者も何人かいて、地元の気仙訛り、標準語、関西弁が入り混じるなごやかな雰囲気を感じながら、飯坂さんはさまざまな角度からシャッターを切ります。
夕方、仕事が終わった移住者さんと3度目の集合。お休みの日に時どき散歩する海岸などを案内してもらい、仕事とは別の移住者さんの暮らしを感じることができました。
厳しくも豊かな三陸の海で、まわりの人たちを大切に生きている移住さんのさまざまな側面にふれることができた1日でした。
次回は、魅力的な移住者さんたちの暮らしや個性あふれる各地域の特色を伝えるためのデザインの現場をご紹介します。ご期待ください!