岩手・タイマグラからの便り
第11回 手しごと日和の冬支度
2025.12.04
毎日のように霜が降り、既に数回雪も降りました。森の木々は葉を落とし、もうすっかり冬支度を済ませたように見えます。
私たちは?と言えば、薪割りさえ道半ば。根雪が積もる前に、済ませなければならないアレコレが、まだ山ほど残っていて焦りますが『急いては事を仕損じる』。足腰を傷めないよう、ひとつひとつコツコツと進めようね。いや、でも、それでは間に合わない?
今年の12月も、やっぱりこんな調子でワタワタとスタートしました。
岩手・タイマグラからの便り
この世界のどこか、遠くに暮らすあなたへ。「岩手・タイマグラからの便り」は、いわて暮らしの魅力を紹介するWEBマガジンです。たとえ不便でも、手間がかかっても、自分たちの理想の生き方を実現するために岩手を選んだ安部智穂さん。その日々の様子を、隔月の連載でお届けします。

薪割りや畑仕舞いなどは遅々として進まないのに、冬を楽しく過ごすための支度は着々と整いつつあります。
先日上京した際に、日暮里の繊維問屋街で布をしこたま買い込んできました。友人からは、お母さんが遺された毛糸もたくさん届きました。冬時間にアレを縫おう!コレを編もう! とても楽しみです。

お世話になった皆さんへ、感謝の気持ちを込めて手作りお菓子を贈るのも、冬の楽しみのひとつ。「あの人にはどんなお菓子を焼こうかな?」贈る人を想いながら、アレコレ計画をたてたり!材料を仕込んだり! とても楽しみです。

そうそう、今冬はカゴ編みも楽しもうと思っています。カサコソと落ち葉を踏みしめつつ森を歩き、材料となるまっすぐで無節のカエデの若木を一本切ってきました。
11月中旬、アメリカのケンタッキー州に住むMicah君が、10日間ほどタイマグラに滞在しました。日本の手仕事にふれる旅の道中で、夫から桶作りを習うためやってきたのです。
彼は素晴らしいBasket makerでもあります。出会いのきっかけも、SNSに載せたカゴ作りの投稿だったなぁ。お互いの手仕事や暮らしに興味を持ち、メールでやりとりをし、そして実際に訪ねてくれたのですから、ご縁とはホント不思議なものです。
好機到来!と、タドタドしい英語でこうお願いしちゃった私。「プリーズ ティーチ ミー ハウ トゥ メイク ア エッグバスケット」。「Oh!That’s a nice idea」心優しいMicah君は快く引き受けてくれたのでした。

プックリとしたフォルムのエッグバスケットにずっと憧れていました。『赤毛のアン』や『農場の少年』など、子どもの頃からの愛読書の挿絵に、エッグバスケットはしばしば描かれています。目にする度に『可愛いなぁ」と心をときめかせてきたのです。
Micah君と一緒に作った『マイ ファースト エッグバスケット』。形はちょっと歪になっちゃったけれど、とてもめんこい♡ 2個目はリム作りをもっと慎重にして、ヒゴ作りももっと丁寧にして、よりプックリと作れるよう「精進する所存です」。Micah君とCandeceさんと過ごした、あの楽しい時間を思い出しながらカゴを編めば、心までポカポカと温まるに違いありません!とても楽しみです。

あっ、でも、先ずは薪割りを済ませなくっちゃね。冬はもう、ホラ、すぐそこまできているのですから…。

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