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移住コーディネーター

and iwate

学生時代に訪れたことをきっかけに「働くよりも暮らす」理想の暮らしを実現中

陸前高田市へ
Iターン

表現者

太田芽衣さん

(山梨県出身/2024年4月に移住)

山梨県西桂町出身。明治大学に在学中、NPO法人SETのプログラムに参加したことをきっかけに陸前高田市を訪れるように。大学卒業後、陸前高田市に移住。アルバイトをしながら地域に入り、ものづくりを通して住民との交流を深めている。(2024年度取材)

自分が自分らしく、一番元気でいられる場所で「暮らす」ため、陸前高田市へ

雄大な自然に囲まれた地元山梨から東京へ大学進学し始まった夢の大学生活。突然与えられた自由や同級生と自分の実力の差に戸惑う中、大学2年生で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、太田さんの生活に大きな影響を与えました
「高校とは違って、いきなり自由が与えられる生活が苦しく、同級生の進み具合についていけない自分が苦しかったです。コロナ禍のときは家に引きこもることが多く、だんだん親からの連絡も返せなくなりました。」
そんな中、太田さんが陸前高田市と出会ったのは、大学3年生の11月。NPO法人SETが実施するCMSP(Change Maker Study Program)という、市外の大学生が陸前高田市のことを学び、地域の人たちと交流する中で、この地域だからこそできることを発見し実施するプログラムに参加したことがきっかけです。

太田さんは地域を回り、住民と話をしていく中でニーズを把握しどのような取り組みができるかを考え、実施しました。
このプログラムに参加し、住民と出会い交流したことで、太田さんはいろいろあった自分を受け入れることができたと言います。
当時を振り返って、「初めて高田に訪れたとき、『ただいま』と思いました。東京にいるときよりも元気に活力を持って生活できました。何より笑顔でいられたことがとても嬉しかったです。」と語ります。
4年生の秋からはプログラムを作るスタッフのリーダーとして活動に参加し、陸前高田市に関わり続けました。
この活動の中で関わった地域の人たちに魅了され、「会いたい」と思ったことが、移住への強い思いだったそうです。
そして、自分を受け入れさせてくれた地域で、自分らしく「働くよりも暮らしたい」と思い、移住を決めました。

地域の人からの野菜のお裾分けに感動。思いの詰まったお野菜をおすすめの調理法でいただくのは至福のひとときです。

 

ものづくりを通して住民と関わり、深い関係を築いていく

現在太田さんは、主にアルバイトをし、空いた時間を使ってものづくりに励んでいます。
インタビューをした日も、NPO法人SETでの活動時代から長い間つながりがあるおじいさんのところで、マンツーマンでしめ縄作りを教えてもらっていたという太田さん。SETの活動で得たつながりは現在も続いていて、自由な時間があればいろんな人に会いに行っているそうです。
太田さんは、アクセサリーやプラバンを作ったり、竹を使ってものづくりをしたり、寄席文字や絵を描いたりと、幅広く創作活動をしています。
その中には、地域の人と関わったことで作り始めたものもあります。
「ものづくりを町の人に教わったり、『昔はこんなのを作っていたぞ』という言葉を聞くと、より作りたくなります。そして作ったものを見せると『ここはこうだ』『これはこうしろ』と言われるので、作って、見せて、戻って、作って、の繰り返し。でもその時間が何より楽しく、生き生きと過ごすことができています。」

ものづくりを教えてもらっている様子と完成した竹灯籠、布草履、看板

太田さんが生きるうえで大事にしていることがあると言います。
「私は『縁距離』という言葉を大事にしています。どんなに距離が離れていても、ずっと縁はつながっていたい。故郷の家族や友人、旅先で出会った人たちとのつながりを持ち続けていきたいと思っています。それに対して陸前高田は、心の距離が近く、関わることでより縁が強くなっていると感じます。」
様々な経験をし、創作が大好きな太田さんだからこそできる、心のこもった特別で素敵な関わり方ができています。
現在が理想の暮らしの真っ直中だという太田さん。まだまだやってみたいことがたくさんあると言います。
「陸前高田市の8つの町、それぞれのお祭りを消しゴムはんこで作って、それをポストカードにしてお世話になった人に送りたいです。また、地域のおじいちゃんが作るのをやめてしまった竹牛 (おじいさんが独自に考案し、地域の竹を材料に作成した牛の置物)を一緒に作りたいです。他にももっともっとやりたいことがあります。」

どんどん夢がふくらむ太田さん。陸前高田での大きな夢があります。
「自分の工房を作りたいと思っています。自分が何かを作っているときに地域の人がふらっと来られるような場所を。そして、自分が作ったものではなく、みんなが作ったいろいろなものを飾って、カラフルな空間を作りたいです。」

ものづくりを通していろいろな人と関わっている太田さん。今後について語ってくれました。
「自分が創作することで誰かを喜ばせたい。その姿を見ることで、自分も元気をもらえるし、生きる活力になります。自分が何かを生み出すことで、それを教えてくれた人、つなげてくれた人との関係性が深くなる。そして完成したものを共有して感謝を伝えたいです。作ること、表現することはやめずに、地域の人と関わりながら日々を過ごしていきたいです。」
これからも太田さんなりの関わり方で、地域の人と関わっていきます。

お祭りの後におじいちゃんたちとソフトクリームを食べている様子

「竹牛」上は完成品、下は作成途中。

Q&A

移住への不安はありませんでしたか?

働き先があるかが不安でした。実際に移住して、地域の人たちも心配してくれていろいろ考えました。ですが自分の原点に戻ったときに「働くより暮らす」ために移住してきたので、自分の望んでいる暮らし方をするために、週5日勤務の定職に就くのではなくアルバイトという選択をしました。金銭的に大変なこともありますが、それ以上に得るものが多く、毎日が楽しいです。

移住を考えている人へアドバイスをお願いします

何も考えていないときに、自分の心や体が感じていることがその人の本心だと思っています。自分が行って水が合う、心地良いところを深く知ってほしいです。そして人と出会ってほしい。「この人と過ごしたい」という思いがあるところだと、移住してからの生活もきっと楽しくなると思います。

休みの日の過ごし方を教えてください

地域の人に会いに行っています。ずっと家にいると元気が出ないので、外に出て人と関わっています。

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