岩手・タイマグラからの便り
第7回
「今日のToDo」 じっくり、丁寧に。
2025.04.01

「そろそろかな?」スコップを持って畑へ向かい、ザクッと大地に踏み込みヨッコイショッ。天地を返した土は、でもまだ水分を含んでいました。日陰には雪も融け残っているからなぁ。このぬかるみが解消したら野良仕事よーいドンです。
岩手・タイマグラからの便り
この世界のどこか、遠くに暮らすあなたへ。「岩手・タイマグラからの便り」は、いわて暮らしの魅力を紹介するWEBマガジンです。たとえ不便でも、手間がかかっても、自分たちの理想の生き方を実現するために岩手を選んだ安部智穂さん。その日々の様子を、隔月の連載でお届けします。
スタートを切る前に、あの子のメンテナンスをしておこう。畑の隅にひしゃげて建つ、廃材で建てた道具小屋から引っ張り出したその子の名は豆トラ君。数年前に譲り受けた中古の耕運機です。ホコリを拭い、エンジンオイルを交換し、燃料を注ぎ、リコイルスターターロープを2度3度と引っ張ると、ブルルンブルルン。エンジンがかかりました。よかったよかった一安心。今年も頼むよ、豆トラ君!

若い頃は、「機械の力なんか借りなくても、クワ一本あれば充分よ!」と自信満々でした。でも、寄る年波には勝てませんね。今では耕運作業は豆トラ君頼みです。 ここ数年、身体的な衰えを感じるようになり、機械の力を借りることが増えました。耕運然り、薪割り然り、雪掻き然り、です。末永くタイマグラで暮らせるよう、徐々に暮らしをシフトチェンジしていかなくちゃね。アレもコレも出来なくなったと慌てる前に、まだ余力のある今のうちから、少しずつ暮らしぶりを変えていこうと思っています。夫婦揃ってもうすぐめでたく六十代。まだちょっと早いかもしれないけれど、私たちなりの暮らしの老活!始めています。

朝食の片付けを終えたら、お気に入りの紅茶を淹れて一休み。「今日は何をしようかな?」手帳の日付け横の空きスペースに、その日「やるべきこと」と「やりたいこと」を箇条書きします。
◎台所の窓拭き
◎常備菜三品調理
◎パン焼き
◎蜂蜜絞り
◎エプロン仕上げ
◎文房具の引き出しの片付け
今日はこの6つを書き出しました。昼食後に手帳を開き、午前中にやり終えた項目を二重線でチェック。やり残しを確認し、なるべく午後にやり終えるよう努めます。夕飯後に再度チェックし、やり切れなかった項目は翌日のスペースに書き込んでおきます。数十年来の習慣です。
以前は書き切れないほどリストアップし、コンプリートしようと日々努めたものです。でも最近は、ゆっくりじっくり、を心がけるようになりました。書き出す項目も少なめに。本当にやるべきことはどれ?取捨選択するようにもなりました。


「田舎だとのんびり暮らせていいわね」とよく言われるけれど、いやいやそんなことはありません。その気になれば、仕事はいくらでも見つかってキリがありません。アレもやろうコレもやろう、アレもやらなきゃコレもやらなきゃと忙しさが加速していき、いつの間にか猛スピードで走っている。しかも急ブレーキを踏んではかえって危ないと、走り続けてしまうのです。私もスピードの出し過ぎでオットット(笑)。以来、速度調整に気をつけるようになりました。やれる事はうんと減ったけれど、驚いたことに、悪いことより良いことの方が多かった!アレもコレもとアクセクすることが減ったし、やることを減らした分、ひとつひとつをじっくり丁寧にと心がけるようになって、完成度も満足感もアップしたのです。あのタイミングでスピードダウンしてよかったなぁと心から思っています。

若い頃は、いろいろ!なんでも!たくさん!が目標でした。それをこなせる体力も集中力もありましたから。でも今は、選んで!じっくり!丁寧に!が心地よいと感じています。心の老活も、ボチボチコツコツ、進めていきたいと思っています。

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