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移住コーディネーター

and iwate

“食べられる花”を花巻の地で
都会での経験を生かして新たな挑戦

花巻市へ
Iターン

岡居亜優美さん

ファーマーズフローリスト

岡居亜優美さん

(神奈川県出身/2015年に移住)

神奈川県出身。首都圏の花屋で17年間勤務したのち、結婚を機にご主人の出身地である花巻市に移住。食べられる花“エディブルフラワー”を中心に花を育て、フラワーアレンジメントなど花屋としての仕事もする「ファーマーズフローリスト」として活動中。(2021年度取材)

花とともに過ごした人生
花巻への移住が、新しいステップのきっかけに

「ファーマーズフローリスト」とは自ら花を育てて、そのアレンジや販売も行う職業。岡居さんは、早池峰山を望む自宅の畑で、早朝から花の収穫や手入れを始め、その花を摘みアレンジなどに加工して発送を行い、夕方以降はリースやアクセサリーづくりといった制作活動にも励むという忙しくも充実した日々を送っていらっしゃいます。

岡居さんと花のつながりは幼少期まで遡ります。曾祖母と母親は生け花の先生で、叔父さんはお花屋さんを経営。神奈川県で生まれ育った岡居さんは、高校生の頃には、気になる花屋を見つけると、飛び込みでアルバイトを申し込んでいたそうです。その後、専門学校を卒業した後も、東京都内でも有名な花屋で通算17年間勤務し、店長も務めました。

神奈川にいるころからお付き合いしていたご主人は花巻市出身。ご主人の帰省に付き添うように岩手にもよく遊びに来ていたそうです。「私にとっては初めて“田舎”と感じる場所でした。冬の寒さや雪には驚きましたが、暖房設備が充実していて、これなら住めるかもなぁ、なんて思っていました。」

そして2015年4月、結婚を機に、揃ってご主人の実家のある花巻市石鳥谷町に移住します。移住後は、自宅や近隣農家の農作業を手伝っていたそうですが、もう一度花屋で働こうと就職活動を始めた頃、同居しているおばあちゃんが自宅の畑で花を育てて、綺麗に飾っているのを見て、生産から加工までを手掛ける今の活動を思いつきます。

「また花屋で働くという東京の生活をループするよりも、せっかく岩手に来たのだから、ここでしかできないことをしたいなと思いました。」

そして以前から興味があった食べられる花“エディブルフラワー”と“オーガニックフラワー”のファーマーズフローリストとしての活動が始まりました。

起業の師匠はおばあちゃん
岩手だからこそ生産できる花を

おばあちゃんから、農作業だけでなく、産直への販売など、たくさんのことを学んだという岡居さんが特に感動したものの一つが、郷土料理です。畑の野菜から作る毎日の食事からも、日常の中にある暮らしの豊かさを感じたそうです。

ジュエリー伝統工芸を学んでいた岡居さんは、手工芸にも興味があり、移住して間もないころは、岩手職業能力開発促進センターに通い、「花器を作るのに役立つかもしれない」と、溶接の資格も取得したそうです。

「木の皮や蔓で作る樹皮工芸や、竹細工など、岩手は手工芸の宝庫ですね。お休みの日は、県内のいろいろな所に作り方を教えてもらいに行くのが、今の楽しみです。」

岡居さんが生産するエディブルフラワーは、首都圏の飲食店に卸したり、県内のお客さんから口コミで注文が増えたりと、着実に販路を広げています。しかし、一年を通して安定した生産量を確保するには、冬が厳しい岩手はけっして恵まれた環境とは言えません。でも、岡居さんは前向きです。

「冬を超えられずもうダメだと思った花の株が、春に息を吹き返した時は、“再生の美”のようなものを感じました。実際にお客さんからも、花の色が濃いですね、と言われたこともあります。岩手には寒さを活かした“雪下にんじん”や“寒締めほうれんそう”などの独特な栽培方法があります。品種は同じでも産地や育成方法の違いによって花が変わることは、全国の切花を市場から仕入れていたことから感じていました。この場所だから、作れる花があるんじゃないかなと思います。」

岡居さんの屋号は「Les Racines(レラシーヌ)」。フランス語で“根っこ”という意味です。花巻に根を張った岡居さんの夢は、大きな花を咲かせそうです。

 エディブルフラワー

Q&A

岩手への移住は、家族から反対はなかったですか?

やはり母は寂しかったようです。でも花巻には新幹線駅があって、東京までは2時間半で行けます。意外と近いんだよ、ということを行き来して実践してみせることで、母も安心してくれたようです。

どこでお買い物してますか?

食材を買うときは、スーパーだけでなく、産直や道の駅でも、新鮮な地場産品が売っているので楽しいです。スーパーで初めて「ホヤ」を見た時は驚きましたが、おいしく食べられました。

洋服などはネットショッピングも多いのですが、岩手で知り合った洋服作家の方がけっこういらっしゃって、その方から買ったりもしています。

起業の際に、支援制度は活用しましたか?

花巻市新規就農者支援事業」を使って、初期費用の補助を受けました。個人または団体当たり80万円まで補助されます。この補助金を一部使って、栽培小屋ハウスをつくりました。

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