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移住コーディネーター

and iwate

宮古を魅力的にしたいとUターン。
商店街に人が集うカフェをオープン

宮古市へ
Uターン

伊藤明日香

ダイニングカフェ&バー PENCO 代表

伊藤明日香さん

(宮古市出身/2014年に移住)

小学校で野球をはじめ盛岡の強豪校へ進学。卒業後は東京の飲食店で働いていたが、震災が発生。母のそばで暮らそうと妻・薫子さんをともなって帰郷。4人の子どもの父でもある。(2018年度取材)

「宮古へ帰るつもりはなかった」
思いを180度覆した東日本大震災

2017年7月、宮古市内の末広町商店街に「ダイニングカフェ&バー PENCO(ペンコ)」をオープンした伊藤明日香さん。「ペンコとは宮古地方の方言で『ちょっと』や『少し』という意味。名前のように気軽にご飯を食べに来てもらいたいし、商店街にくるきっかけにもなっていけば」と思いを語ります。
宮古市で生まれ、15歳で親元を離れ盛岡市の高校へ進学した伊藤さん。野球部で汗を流し、卒業後はかねてから興味のあったダンスを勉強するため東京へ。アメリカへの語学留学も経験し、帰国後は都内の飲食店で働きました。「いずれは東京で飲食店をやろうと考えていた。宮古へ戻るつもりはなかった」と振り返ります。
結婚をし子どもも誕生し、順風満帆だった東京生活は、東日本大震災を境に変わります。一週間後、なんとか宮古へ戻った伊藤さんは故郷を襲った自然の猛威に圧倒されつつ、一方では力を合わせて街の復旧に取り組む人々のパワーを目の当たりにします。さらにその後、父が他界したこともあり家族やふるさとへの思いはふくらんでいきました。
「東京へ出たのは、宮古には自分が求めるものは何もないと思ったから。だけど今は、何もないなら自分で作っていけばいいんだと考えるようになりました。この先は母との時間を大切にしながら、自分が出来ることを宮古で探そうと決意したんです」。  2014年3月、帰郷。15年ぶりの宮古暮らしが始まりました。

伊藤明日香

おしゃれで楽しい、美味しいを
商店街に人を呼び込む店づくり

「作りたかったのは、これまで宮古にはなかったおしゃれで都会的なカフェ。しかもそんなお店が、街の真ん中の商店街にあったら面白いと思いました」。
そう話す伊藤さんは、母・洋子さんの後押しも受けながら末広町商店街の空き店舗を借りて改装をスタート。東京でも人気があったブルックリンスタイルの店を作るため、アメリカ産バーンウッドやレンガなど本物の内装材を取り寄せました。店のファサードは全面ガラス張りにして誰もが入りやすい雰囲気に。「照明が点く夜は、さらにきれいでおしゃれな雰囲気になるんです」と、伊藤さんも自慢の仕上がりです。
一方、実は料理経験ゼロだった伊藤さんは市内の居酒屋で修業。腕を磨きながらカフェに合う洋食も研究しました。今や一番人気のPENCOハンバーガーは、同じ商店街にある精肉店と共同で開発したジューシーな牛肉ハンバーグが自慢の一品。定番のホットサンドやナポリタンは伊藤さんにとっては“おふくろの味”。「これはオカンにしか作れんから」と洋子さんが作っています。お客さんは若い女性に混じって地域のおじいちゃんやおばあちゃんも来るそうで、世代を超えて愛される店になりつつあります。
「僕は『人運』がいい。どんなに大変なときも人に恵まれ、助けてもらってきた」。
オープンまでのいきさつを振り返るとき、伊藤さんはいつも感謝の気持ちでいっぱいになります。場所を貸してくれた大家さん、居酒屋の主人、商店街の仲間たち、そして何より一緒に店に立って働いてくれる母がいます。何もないと思っていたふるさとに、人の繋がりというかけがえのない宝物を見つけた伊藤さんです。

伊藤明日香

Q&A

宮古市で初めての店づくり。気をつけたことは?

昔、商店街といえばちょっぴりお洒落して出かけるような場所でしたよね。末広町商店街も昔ながらの店や買い物客が多い場所だから、クリーンで明るいイメージのカフェを作るのを意識しました。ファサードはガラス張りにして外から見えやすいようにしたし、お年寄りにも来てもらいやすいよう営業時間も昼からにしました。

地方で起業する上で大事なことは何ですか?

うちは市からの家賃補助は受けているけど、創業時の制度はほとんど知らなかったので、これから何かをはじめる人は創業支援や補助金などの公的サポートは積極的に活用した方がいいと思う。東京などと違って地方は新しいことを始めやすいけど、この場所で自分は何をしたいのかという目標はしっかり持っていないとダメ。

宮古で暮らして変わったこと、これからの夢は?

東京にいたときは忙し過ぎて妻とゆっくり話す時間もなかった。今は毎日家に帰るから妻とも仲良くなったし(笑)子どもたちと遊ぶ時間もあります。まずはカフェの営業を軌道にのせて、ゆくゆくは地域が盛り上がるようなことをしてみたい。この店をスタートに、もっと色々な事を仕掛けていきたいと思っているんです。

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